「臭いは美味い!」(平成18年度広報第1号)
2006.06.10 4月29日、新年度のPTA総会終了後、新園長の私の仕事は、保護者達との堆肥作りでした。
以前はお供えの花はすべて焼却してきましたが、環境問題で焼却炉は撤去、数千本の花の処分に困惑した時に閃いたのが、「堆肥化」でした。花を砕いて作った堆肥の発酵から熟成に至るメカニズムは、自然の摂理の不思議さを存分に感じさせてくれます。
しかし・・・「臭い!」のです。発酵中は六十度にも上る堆肥から発せられる、モクモクした湯気に混ざる強烈な酸味がかった香り、そのパワーは、近くで井戸端会議を繰り広げていたお母さん達を、一瞬の内に消滅させてしまうほどの強さでした。
しかし、この堆肥を畑にすき込み、ほとんど追肥もしないで育てた野菜の美味しいこと!有機、無農薬栽培で時には虫喰いのものもありますが、安全で新鮮な作物を、子ども達は収穫後、実に美味しそうに食べます。
循環とは、「無(有)」から「有(無)」に至る段階を繰り返す過程で、それぞれの対極を経るのが常です。堆肥もその過程に組み込まれ、臭い段階を経たからこそ肥沃な土壌となり美味しい作物の源となる、要するに「臭いは美味い」のであります。
私も堆肥のような(?)園長になれたらいいなあと思います。今後ともよろしくお願いいたします。