自然の摂理を学ぶ幼稚園として
若草幼稚園理事長 大滝宗徳
皆さんこんにちは!理事長の大滝宗徳です。私は、祖父、父に続き、平成10年度より学校法人龍州学園の3代目理事長、そして18年度より若草幼稚園園長、2020年度に理事長に就任し、現在に至っております。本園は平成27年度、創立60周年を迎えることができました。卒園生も約7,500名を数え、各界で活躍しております。たくさんの方々の温かいご理解と御支援のお陰であります。
若草幼稚園での日々の園児との触れ合いを通し、私自身が幼い頃、遊ぶ事がすべてで何もかもが輝いていたあの良き日々を、この年になって再び味わう幸せを感じています。子ども達は、自分の中に常に何か躍動するものを持っています。毎日「走る、ぶつかる、泣く、笑う!」。この日々のぶつかり合いの中で、子ども達は様々なことを学んでいます。 仏教に、「山川草木ことごとく仏性あり」という言葉があります。人間ばかりでなく、生き物、草木や山川まですべてに「仏の心」、すなわち「命の営み」があるということです。私は幼稚園にいながら、このことをいつも実感しています。
カブトムシの幼虫が、サナギを経てたくましい成虫になる過程、ヤゴの体を突き破り、トンボが大空に飛び立っていく感動、お供えの花を砕いて作った堆肥が、発酵して数ヶ月後には肥沃な土に変わる不思議さ。その土によって成長した野菜の苗が、花が咲き、虫から受粉されて日々実が大きくなる喜び、そしてその実を収穫して食べる味の格別な美味しさ…。これらはすべて自然の摂理であり、いったい誰がデザインしたのか、大自然の営みに作為はありません。
その摂理を、子どもたちは日々の原体験を積み重ねる事によって学んでいます。これは、自然環境や動植物の生態だけを指しているのではなく、人間の感情、関係においてもあてはまるものだと思います。例えば、友だちをいじめて悲しい思いをさせてしまえば、巡り巡って、他から自分にその悲しい思いが帰ってくる。逆に、優しく思いやりを持って接することによって、その温かい気持ちが後から自分に帰ってくる。これらも自然の摂理であり、人間もその中に当然組み込まれているのです。
幼児期のうちから、これら自然の摂理を直接肌で感じていく事が、生きる力を育んでいくと私は確信しております。そのために、若草の良き伝統であり一番の特色である「保護者との連携」を、今後も十分に図っていきたいと考えております。
保護者から大事なお子さんの命を預かり、彼らの健やかな成長を育むために、プロとして日々の保育にあたる私達の使命であります。現場の先生達と共に、常に課題を持って幼児教育に取り組んでいきたいと思います。
皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。