山形県 酒田の幼稚園『若草幼稚園』です。
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前園長ブログ

「競争社会」から「共存社会」へ

2010.10.18

 昨年の5月に、ポール・コールマン氏率いるアースウォーカー一行(地球上を木を植えて歩く人々)が、お寺に一泊しました。私も彼らの話をじっくり聞き大変感銘を受け、翌日県内を一緒に歩いたりして交流を深めました。
 その一行の日本人のリーダーが中渓宏一さんという方で、彼と知り合って以来時々彼のブログをのぞいているのですが、今回、非常に内容に共感する記事(7月24日付け)を見つけました。
 ここに全文を紹介します。

「~「競争社会」で生き残る教育から「共存社会」で楽しく暮らす教育へワールドシフト!~

なんだかながーくて難しいタイトルですが、これ、僕が最近掲げているテーマです。

「ワールドシフト」とはアーヴィン・ラズロ博士(ブダペストクラブ会長)が提唱しているもの。僕なりの言葉で説明すると、「今、人類は発展の方向性を変えないと、70億人が地球に暮らし続けることは出来ない。だから今までとは違う価値観で生きて行く、生き方をシフト(変える)して行く必要がある。」というもの。

「今までとは違う価値観」なんて言われても具体的な話がないとピンと来ませんよね。

そこで、今日は僕が思う新しい価値観について書いてみます。

これが「競争社会」で生き残る教育から「共存社会」で楽しく暮らす教育へという価値観です。

「競争社会」で生き残る教育。僕はこの教育の真っ只中で育った気がします。1971年生まれ。団塊ジュニア、第二次ベビーブーム。つまり人口がやたら多い僕らの世代は「受験戦争」の真っ只中にいました。

「優秀な大学に入って優良企業に就職して安定した暮らしを獲得する。」サラリーマンの家で育ち、僕はこんな価値観に全く疑問を持たずに生きてきました。

そして自分で言うのも何ですが、それなりに要領の良い僕は、それなりの優良大学に行き、優良企業と言われる某商社に就職が決まりました。

当時付き合っていた彼女に、「商社なんてアマゾンの森林を破壊したりしている業種になんで就きたいの?」と今思えば何とも的を得た指摘を受けていたのですが、その当時の僕は「こんな良い会社に就職決まったんだよ。何言ってるんだ?」と全く聞く耳も持たずに就職。やがてその彼女とは別れることになりました。

晴れて商社マンに。世界を羽ばたくビジネスマンを夢見て商社に入り、インドネシアやチェコ、ポーランド等で計2年半の海外生活をさせてもらいました。そして気が付けば社会人として6年が経った頃、ふとした疑問が僕に生まれ、その疑問はやがてどんどん大きくなります。

この出世競争の先には何があるんだろう。果たして僕が望んでいる世界はこの世界なんだろうか。出生競争に負けて、ある時社会に突然放り出されても僕は生き残る力を蓄えているだろうか。そんなことをあれこれ考えた末に、「地球上の何処でも、どんな時でも生きて行ける人間になりたい。その為に自分の人生を費やして行こう!」という考えに辿り着きました。

そう思い始めると不思議なもので、一生働き続けるつもりで就職した会社に未練は無く、僕は会社を辞めて世界放浪の旅に出ました。先ずは自分自身の見聞を広めよう。地球がどんな星なのか、この目で確かめて感じてみよう。と。

そう地球上の何処でも、どんな時でも生きて行ける人間になるために、先ずは地球のことを知りたくなったんです。

ハリウッド映画を観て、リーバイスの501にコンバースを履いて育った僕にとってアメリカは憧れの国で、学生時代にはやたらとアメリカを旅していましたが、28歳になった僕が目指した先はインドでした。(まぁその前にはやっぱりアメリカに行っていたのですが。)

インドでぼくが見た世界。それは老いも若きも、富める人も貧しい人も、黒い人も白い人も、区別はあるものの、差別が無く、うまく共存している世界でした。半年間インドを放浪するうちに、そんなことを感じました。

そして驚いたのは今も昔も変わらない世界がどっしりと社会に根付いていることでした。僕はたまたま、144年に一度と言われる、ガンジス河での沐浴の祭り、「クンバメラ」に参加したのですが、ガンジス河にただただ沐浴に集まる人達の風景、それは「今は紀元前1000年です。」と言われても納得してしまうような悠久の時間を感じることが出来るものでした。

そんな衝撃を通して、今まで自分が居たサラリーマンの世界、競争社会だけが全てじゃない。むしろこちらの世界にこそこれからを生きて行く為の智慧が眠っているんじゃないかってことを感覚的に感じました。

それから世界放浪を続けた2年後、ぼくは南アフリカで、世界中、地球一周分を歩き、平和の木を植え続ける男、ポールコールマン氏に出逢いました。地球を歩き、木を植える男、通称アースウォーカー。

20世紀に戦争で亡くなった犠牲者1億人の為に1億本の木を植えながら、「人の命だけじゃなくて、自然も奪ってしまう戦争なんてもう止めよう。皆で地球に感謝の気持ちを込めて木を植えよう。」というメッセージと共に地球を歩き、木を植える男。

ぼくの中に、「これだ!」という直感が働き、ぼくはポールと共に1年間、アフリカの大地を歩き、木を植えました。

あれから7年が経ち、「地球を歩く、木を植える」ことは僕のライフワークとなっています。

アフリカ南部、日本各地を歩き、木を植える活動を続けさせてもらう中で、僕の感覚が変わってきました。それを何とか一言で表してみると、地球は、地球上に生きている全てのものを含めて、一つの大きな生命体であるってこと。これを感覚として完全に理解することはまだ出来ないけど、頭の中での理解が後押ししてくれて、その感覚に近づいて来ています。

だから、他人を傷つけること、それはそのまま自分自身を傷つけることになる。その最終形が戦争というもので、自分の敵を倒した処で、結局はその痛手は自分自身に降りかかってくる。だって僕らは「地球」という同じ星、一つの生命体だから。

そんなことを100%感覚で理解できた時、人間は次の文明に進化=ワールドシフト出来るんだと思う。

その為に出来る第一歩。それが教育だと思う。

国語、算数、理科、社会で他の人よりも良い点数を取ると、良い中学、良い高校、良い大学に行ける。そしてその先には良い会社が待っていて、その良い会社で出世競争に生き残ると良い人生が待っている世界。そんな常に「競争」を基礎にした世界には限界があるはず。だって辿って行けば、僕らは「地球」という同じ星に生きる、一つの生命体なのだから。

「競争したってしょうがない。それよりも皆で楽しく、共に暮らして行く智慧を共に分かち合おう。」学校がそんなことを教えてくれる場所になって欲しいです。

僕には2歳半になる息子が居ます。夏にはもう一人、子供が出来ます。この子たちに受けて欲しい教育、それは国語、算数、理科、社会も勿論あるけど、どうやったら美味しい野菜が作れるか。どうやったら電気に頼らなくても豊かな生活が出来るか、どうやって苗木を育てて、どんな風にしてその苗木たちを森に返すことが出来、その結果、美味しい湧き水を守り、森の動物たちと共存することが出来るのか。そんな「自然と共に生きる智慧」も是非、学校で教えて欲しいです。

ぼくはその第一歩として、小学校で木を植える活動を続けています。これは僕のライフワークです。小学校の敷地が森で囲まれていて、森の中には野菜や果物が豊富にあって、子供たちが学校の敷地に小さな地球を感じることが出来る空間。そんな空間の中で子供達が自然と共に豊かに暮らす智慧を学ぶ。そんな学校作りを目指してぼくは一本づつ、小学校で木を植えさせてもらっています。」

 中渓さん達は、幼稚園の園庭にも木を植えていってくれました。彼らのこのような地道な活動が、少しずつ世界中の人を巻き込んで、大きな運動になっていければと思います。

 「競争社会」から「共存社会」へ・・・いい言葉ですね。若草幼稚園の教育も、こうありたいと思います。 

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