長所と短所
2010.05.30 29日のうさぎの春まつりに参加していただき、どうもありがとうございました。
このイベントを通して、たくさんの子ども達と会うことができるのが楽しみです。6月からはいちごクラブやぴょんぴょん広場も始まります。どうぞ若草に足を運んで、雰囲気を感じ取っていただきたいと思います。
会の最後に、先生達の自己紹介がありました。何でもナンバーワンということで、先生達それぞれの「NO.1」が発表されました。いろいろ出ましたね。食欲や体力、匂いの嗅ぎ分け、目立ちたがり、色黒、元気、声の大きさ、泳ぎ、子どもの目線の高さ、などなど。果たしてナンバーワンと自慢できるのかどうか分からないものもありましたが…。
でも、何でもいいと思います。これは自分の得意分野、これだけは他に負けないというようなものがあると、人は強いですね。それが長所であり個性でもあるので、その人の生き様を現し、そこから派生する様々なものを取り込んで、応用を利かしていくことができます。
経営コンサルタントの船井幸雄氏が提唱したものに、「長所進展法」というものがあります。その人(事象)の欠点、短所を是正させるよりも、長所をほめて(認めて)伸ばしていくことによって、短所であったものが目立たなくなっていき、業績も上がっていく。これは社員教育でも会社の経営そのものにもあてはまるやり方で、実際に彼はこの方法を担当した企業の経営指導に用い、めざましい成果を上げました。
そもそも、長所と短所は紙一重だと思います。例えば、「あの人はリーダーシップがある」と言われる人が、別の人からは「彼は傲慢なところがある」と言われるように、その人のいい意味の特性が、少し度が過ぎると不快を与える短所にもなり得るのですね。逆の場合もあります。例えば「八方美人」と揶揄される人は、実は誰に対しても公平で配慮が行き届く人でもあるのです。「優柔不断」な人も、「思慮深く慎重」であると言えましょう。
このように、長所と思えるものが実は短所だったり、逆に短所だと思いこんでいたものが、考え方を変えると長所に変わっていくというふうになるのです。自分の欠点に悩まないで、ちょっと視点を変えてみるといいのかもしれませんね。そうすると、実は素敵な特性だったことに気付くかもしれません。
子ども達にも当然あてはまりますよね。飽きっぽくて一つのことに集中できないと思われる子は、いろいろな分野に興味を持つ好奇心旺盛な子であると言えるし、自分のやり方に固執しなかなか大人の言うことを聞かない子は、自らの信念を持って物事に対処する生き方を貫く人になるかもしれません。おとなしくてメソメソしてたとしても、だからこそ人の優しさに敏感で、思いやりあふれる人となる特性を持っているのです。
そう考えると、この時期は、子ども達の特性を注意深く観察し、その特性を認めて伸ばしていく働きかけが必要なのだと思います。これは保護者の役割でもあり、幼稚園の先生の最も大事な仕事でもあるのです。みんな素晴らしい長所を持っているのです。その長所を、どんどん伸ばしていってあげて下さい。
それでは、次回の夏まつりもお待ちしております。