山形県 酒田の幼稚園『若草幼稚園』です。
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前園長ブログ

大人が輝けば、子どもも輝く(広報わかくさ第1号)

2008.06.30

 6月15日、「第23回トライアスロンおしんレース」が開催され、リレーの部に、若草幼稚園の保護者で組んだ5チーム(カメ、金魚、カエル、カブトムシ、ギンヤンマ)が出場しました。1人で3種目(スイム、バイク、ラン)行うフルタイプでなく、3人がそれぞれの種目を分担して、チームとして競うものです。全部で23チームがエントリーしました。

 結果を先に言うと、カメチームが2年連続の優勝を成し遂げました。去年と同じく大学トライアスロン部の学生チームと優勝争いになり、「ウサギとカメ」の昔話のように大差がついて油断した若い学生ウサギチームを、中年親父ガメのたゆまない歩みにより、ランの終盤で逆転するという劇的な幕切れでした。

 また、その他のチームもギンヤンマが6位、カブトムシが7位、カエルが20位と、初心者が多かったチームとしては本当に大健闘でした。ただ、金魚チームの順位はつきませんでした(個人記録のみ)。かなり水温が低かったことで、スイム担当のお父さんが足をけいれんし、リタイヤしためです。本来バイクが得意な彼ですが、手薄なスイム担当を私からお願いされ、未経験にも関わらず快く引き受けてくれたお父さんに、私自身申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、彼はすぐ気を取り直して、今度はバイクで次回にリベンジしたいと決意を示してくれました。

 今大会は、何といっても応援体制が充実していたことが特色でした。奥さん、子ども達、保護者仲間で結成した応援団、年長組担任、そして車椅子の武久さん夫妻と、若草ファミリーが団結して熱烈な応援を繰り広げてくれたことが、お父さん達のモチベーションを高め、最大限の力を発揮できた要因だったと思います。「『身近な人を一生懸命応援すること』が、こんなに嬉しいことだとは思わなかった」と、あるお母さんが言っていました。

 「大人が輝けば、子どもも輝く」、武久さんから頂いた言葉です。おしんレースはどちらかと言うと、私の個人的趣味にお父さん達を引きずり込んだ形で、「大人が輝けば…」などとは考えませんでしたが、過酷な競技に挑戦し、苦しみながらもチームのために頑張り、また、応援も含めてみんなで楽しむという過程が、子ども達に少なからず影響を与えていくのは確かだと思います。無邪気な子ども達から元気なパワーをもらい、大人が味わう試練と楽しみを子ども達に返してやる、その相乗効果が両者の生きる力になっていくのではないでしょうか。

 さらに、ゴール前で武久さんの車椅子を押しながら、メンバーみんなで一緒にゴールし盛り上がりましたが(武久さん曰く「なんちゃってゴール」)、これが後に、〝なんちゃって〟じゃない〝本気〟の他者への思いやりを育むことにつながっていくのではないかと思いました。

 私はこのおしんレースに運営面から関わっていますが、老若男女を問わず多くの市民が手弁当で作り上げる素晴らしい大会です。大会当日は数百人のボランティアが、給水や計測、誘導、食事などのパートに分かれ、選手をサポートします。その温かいもてなしに感謝し、県外から毎年やってくる選手も多いです。観光資源は「人」であるこの酒田の地で、選手もボランティアも皆一体になって、『大人の輝き』を支えていくこの大会が私は大好きです。

 来年もまた、やるぞ!

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