「天敵が共存できる環境に」
2006.06.20 すくすく畑にたくさんのテントウムシが訪れるようになりました。これは、昨年以上に作物の種類を増やしたことで、アブラムシ等が大発生し、それらを食べに来るテントウムシが増加したためです。
いろんな種類のテントウムシがいるので調べてみました。野菜を作る側の観点からすると、テントウムシにも益虫と害虫がいます。アブラムシを食べてくれるテントウムシはもちろん益虫で、ナナホシテントウやナミテントウ等ほとんどが当てはまります。害虫としてはテントウムシダマシ(右上の写真)。ニジュウヤホシテントウとも言い、背中のツヤがありません。こちらはジャガイモやナス等の葉っぱを食害します。当初は私もその区別が分からず、子ども達と一緒になって何でも捕まえていました。何せナミテントウはとてもファッショナブルで、黒地に赤模様や赤地に黒模様の紋、そしてその紋の数もいろいろな種類があり、見ていて飽きないのです。幼虫もいっぱいいます。子ども達からも毎日のように「テントウムシ捕まえにいこ!」とせがまれますが、今は、保育室で飼育する分を除き、できるだけそっとしておくようにしています。
有機肥料、無農薬で行っている畑なので、どうしても害虫の発生は避けられません。しかし、アブラムシに対するテントウムシ、ガの幼虫に対するクモ等のように、天敵がいることで害虫の被害は最小限に抑えられるのではないかと思います。子ども達にも事情を説明し、むやみに生き物を沢山捕まえないように話すと、彼らなりに納得してくれました。
「害虫」と「益虫」。我々人間が勝手に区別していますが、虫達にとってはいい迷惑でしょう。彼らは自らの本能に従って、食物連鎖と呼ばれる自然の循環の輪を形成しています。農薬を散布したり科学肥料を使うことで、その輪を崩してしまうことには抵抗があります。
すくすく畑に限らず、園庭に集まる生き物の生態を通して、自然の循環、摂理を子ども達と一緒に学んでいきたいと思います。