「園児と共に過ごした平成、そしてこれから」(広報わかくさ掲載)
2019.03.22昭和が終わった日、私は東京都内の証券会社に勤務していました。天皇陛下崩御の知らせは瞬く間に株式市場を駆け巡り、印刷会社関連の銘柄が暴騰しました(年号が変わることによる需要増の理由)。天皇陛下という敬うべき対象の死が株式相場を動かすという現実に、非常に違和感を覚えたことを記憶しています。
それから数年後に急きょお寺を継ぐことになり会社を退職、本山で修行後の平成六年より若草での勤務がスタートしました。最初は右も左もわからず戸惑ってばかりでしたが、園児と一緒に「走る、ぶつかる、泣く、笑う」を繰り返していく内に、次第に園生活に溶け込んでいったような気がします。PTA活動や遊具作り、ビオトープ整備や畑仕事、トライアスロンや駅伝等保護者と一緒に汗を流す活動も、私の生きがいの素になりました。
就任当時一緒に過ごした子どもたちはあっという間に成長し、タイムカプセルオープン式を経て、現在保護者として、あるいは若草の職員として戻ってきています。園児の頃の懐かしい話をするのが嬉しい限りです。
子どもたちを取り巻く環境は時代と共に変わりましたが、子ども本来の姿は、いつも変わりません。英語の「教育」を表す「エデュケイション」は、元々は「引き出す」という意味です。我々大人が、いかにその子の本来持っている「輝き」を引き出していくかが、時代に関わらず大切なことです。
平成の三十年間は終わりますが、新しい時代の中で、子どもたちからはさらに羽ばたいていってほしいと思います。
卒園おめでとうございます。