「ののさまと子どもたち」(「広報わかくさ」第2号掲載)
2018.12.23若草幼稚園は持地院境内にあるので、大仏さんやお地蔵さん等沢山の仏像が、毎日園庭で遊ぶ子どもたちを見守っています。またお寺に時々お参りに行くことで、園児は本堂の香り、静寂等独特の雰囲気を感じとっていると思います。子どもたちが呼ぶ「ののさま」とは幼児語で、お釈迦様や観音様等仏様すべてを指します。昔は「尊いもの」を「のんの様」と呼んだからという説や、「かんのんさま」→「のんさま」→「ののさま」となったという説もあります。
各クラスには「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」の写真が飾られています。はるか未来にこの世に降りてきて衆生を救うといわれる菩薩ですが、園児が若草を巣立っても、その成長をずっと見守っているという思いが込められています。子どもたちは、毎日歌う「黙想・いのりましょう」の歌詞にあるように、「今日一日を元気よく」過ごし、「明日の勇気と幸せ」のために、ののさまにお参りします。
子どもたちが各行事でお参りする機会は写真の通りですが、普段の園生活や先生たちの教えの中に、仏の教えが随所に散りばめられています。仏教を言葉で理解するのは園児にとって難しいことですが、原体験の蓄積を通して学んでいきます。知らず知らずの内に、「自然の摂理の大切さ」、「生きとし生けるものすべての命の尊さ」、「慈愛の心」、「自分のしたことは、善いことも悪いこともすべて自分に返ってくる」というようなことを、心に刻んでいってほしいと思います。