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少年鑑別所

2010年09月03日

 昨日は、第3回目のぴょんぴょん広場に参加いただきありがとうございました。史上まれに見る猛暑が続く日々ですが、万里の松原ピクニックはいかがだったでしょうか?お子さん達、体調は崩しませんでしたか?子どもより大人が気をつけないといけないかもしれませんね。
暑い夏は大好きなのですが、雨が全然降らないのには閉口します。早く雨が降って、すくすく畑の野菜達に思いきり水分を吸収してほしいなあと思います。

 さて、皆さんが万里の松原にいた頃、私は山形市の少年鑑別所におりました。酒田飽海地区の保護司のメンバー達と一緒に、施設の見学で訪れていたのです。
 少年鑑別所は、非行を犯した少年、少女(14~19歳)が、家庭裁判所の審判を受けて少年院などに送致される前に、約3週間前後預けられる所で、身柄を安全に保全するとともに、少年少女の心身の鑑別を行い、非行を犯した原因を探る等の役割を持っています。

 私達を迎えてくれた鑑別所の所長は女性の方で、理知的でかつ情熱を持った方でした。親身になって子ども達の更生のために奮闘している様子が伺えました。
 彼女によると、最初はどんなに荒れてすさんでいる少年少女でも、所内で皆と同じ服装で、三食きちんと食べ、規則正しい生活を送っていくうちに、だんだん落ち着きを取り戻していくそうです。昔と違って周囲の者にガンを飛ばし食ってかかるような子は減って、人間関係が希薄なまま成長してしまった子達が多くなってきたということです。

 私も保護司を務めてから6年程ですが、これまで対象者として接してきた若者達を見ていると、外見は本当にどこにでもいるような感じなのですが、やはり人との関わりにおいて何かが欠落している印象を受けることが多いのです。周りに無関心どころか、自分に対しても期待しない、自尊心がない若者。現代社会のゆがみと言ってしまえば簡単ですが、幼児期から絶え間なく続く社会性を育む過程が、どこかで頓挫してしまっているのかもしれません。

 鑑別所内でたった3週間という期間過ごすだけですが、徐々に変わり始める少年少女達。退所する時、彼らはこんな感想を書いていました。

*「自分の生活、非行、被害者のことなどを考えて、自分のしたことはとても許されないことだと思いました。」
*「いろいろな課題に取り組み,自分を見つめ直し、考えや気持ちを整理することができました。」
*「面会と手紙で、お父さんやお母さんと冷静に話をすることができました。親の気持ちがよく分かりました。」
*「早寝早起き、朝・昼・夕の食事をきちんととること、運動をすることは、とても大事なことだと思いました。」
*「礼儀、敬語の使い方、あいさつを教わりました。」
*「今までこんなに字を書いたり本を読んだことはありませんでした。字を覚えました。読書を好きになりました。」
*「部屋の掃除、物の整理整頓、布団たたみなど、ふだん家ではしなかったことを自分でして覚えました。」
*「先生は真剣に話を聞いてくれました。」「僕は素直に話をすることができました。」「先生は僕を分かってくれました。」
*「注意されることはとても有り難いことだと思いました。」
*「家での生活は、本当は幸せだったんだなと感じました。」

 こんな風に素直に感想を書ける子達ならば、更生はきっとできるはずです。そして、こんな風に素直に思える気持ち、それは、やっぱり幼稚園の砂場に埋まっているのだと思います。
(「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(河出文庫)ロバートフルガム著より)

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