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幼少期の記憶(広報第3号)

2008年03月22日

 保護者の皆さんは、自分が幼稚園や保育園で遊んでいた頃の記憶を、どれぐらい覚えていますか?

 いろいろな方によく聞くのですが、答えは千差万別です。幼稚園での行事や友達や先生の名前など、細部にわたって記憶している人もいれば、幼稚園に通っていた記憶はあるけど、中身は全く覚えていないという人もいます。詳しくは思い出せないけど断片的に覚えている、というのが一般的かもしれません。ちなみに、若草幼稚園の記憶で一番多いのが、「(昔あった)大きな池で遊んだこと」です。

 退行催眠という言葉があります。これは、精神的不安を抱えている人に対して、セラピスト等が催眠をかけ、その人の不安の原因となったものを探るため、記憶を幼少期まで遡らせたりすることを言います。営利目的のいかがわしいものも中にはありますが、精神医学や心理学できちんと認められている分野です。

 それによると、(催眠にかかった)多くの人が、心の片隅に眠っていた幼少期の記憶を思い出します。人間の心の中には顕在意識と潜在意識があり、普段考えていることは顕在意識から来るものであるが、潜在意識にはすでに忘れ去られた(と思い込んでいた)記憶がすべて保存されているということです。催眠によって自らの潜在意識にアクセスし、幼少期の記憶が鮮明によみがえることによって、トラウマとなっていた不安や恐れの原因が見つかり、精神的安定を取り戻すことも珍しくありません。

 これは、幼少期に受けた心理的なダメージを探り出し、解消することの事例ですが、逆もあります。思春期の真っ只中で非行に走ってしまった少年が、幼少期の思い出、例えば幼稚園で友達と存分に遊んだ記憶、優しかった先生の記憶、そして何よりも保護者から愛情いっぱいに育てられた記憶、こういった懐かしくかけがえのない記憶を思い出すことによって、踏みとどまり、更生していくこともあるのです。

何も催眠という方法を使わなくても、幼少期の「人からたくさんの愛情を受けて育った」記憶は、必ず心のどこかに残り、いざという時に強力な武器となって現れることがありえるのです。

 卒園生達は、この先の小学校生活を、期待で胸をふくらませて待っていることでしょう。これから出会う友達、または勉強や運動など新しいことを次々と経験していくため、幼稚園での記憶は徐々に薄まっていくことになるでしょう。それでいいのです。今は後ろを振り返る時期ではありません。

 でも、将来何か壁にぶつかった時、幼かった頃の記憶、この若草幼稚園の記憶を少しでも思い出して、次に進むステップとして踏み出していってくれれば、先生達にとってこんな嬉しいことはありません。

 卒園おめでとう。

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