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人生の原点(広報「わかくさ」平成26年度最終号掲載)

2015年04月03日

(画像は60年前の創立当時の写真です)

2月10日のことですが、Kさんという男性が、両手いっぱいに花束を抱えて母を訪ねて来ました。地元酒田の企業のオーナーの方で現在64歳、創立当時の若草幼稚園の園児で、母が担任していたそうです。今年若草が創立60周年と知り、意を決して母に会いに来たということでした。

Kさんが言われるには、当時の自分があまりにもやんちゃで、担任の母にとても迷惑をかけたことへのお詫びをしたかったこと(笑)、でも今の自分があるのは、若草でのびのびと日々を過ごしたことが大きく、自分の原点であった幼稚園、そして母にその感謝の気持ちを伝えたかったということでした。

80歳を超えている母ですが、驚いたことにKさんのことはよく覚えていました。若草の創立時で、母も勤め始めた頃だったからかもしれません。毎日園庭を走り回ってよく大きな池(平成3年の大仏再建時に埋め立てられました)に落ちていたことや、泥んこや木工、粘土遊び等物を作るのが大好きだったこと等々、Kさんと懐かしそうに話していました。Kさんも、いつも悪さばかりしてよくお寺の本堂でお釈迦様の前で反省させられたこと等、武勇伝を笑いながら話してくれました。母も、こうして約60年の長い歴史を経て教え子が訪ねてきてくれ、驚くと同時にとても嬉しかったと思います。

Kさんは精密機械加工の会社を経営しており、独創的な技術の製品開発が特色です。若い頃はかなり苦労を重ね、会社を従業員50名を超える規模にまで発展させてきました。幼児期に自由な発想で物作りをしたり、自然の中を駆け回ったりしたことが今の自分を形成しており、新入社員を採用する時も、学歴でなくそのような経験の有無を大切にしているそうです。

もちろん7000名を超える卒園生がいる中で、幼稚園の記憶はほとんどないという人もいるし、Kさんのようなケースは珍しいのかもしれません。でもこの日の出来事で、私自身若草の歴史の重みを改めて実感すると同時に、園長として、若草が人の生き方の原点となれるよう、頑張っていこうという勇気をいただいたような気持ちになりました。

卒園生の皆さんも、将来大きくなってふと若草のことを思い出したら、ぜひ訪ねてきてほしいと思います。まあ、60年は長すぎますが(笑)。皆さんがこれから生きていく中で、若草で過ごした日々が少しでも心の支えや糧になるのであれば、私たちにとってこんなに嬉しく幸せなことはありません。

卒園おめでとうございます。

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