北庄内地区の小児科の現状について
2014.07.13 今回は7月11日(金)に若草幼稚園ホールで行われました「小児科医師による講習会」につきまして、自分自身も大変参考となる講習内容であったことから、参加できなかった方への報告や周知も含め投稿させていただきます。
この講習会のざっくりとした目的としては、小児の急病時における知識や対応方法を親など子どもの身近におられる方が理解することにより、小児科医の負担軽減を少しでも図れればということで、山形県で作成したパンフレット「山形県子どもの病気・けがガイドブック」を見ながら、小児科医であります おおたきこどもクリニックの大滝先生から講習を頂いたものであります。
はじめに大滝先生から北庄内地区の小児科医(開業医)の現状についてお話がありました。現在、北庄内地区に小児科医(開業医)は7名おられるそうですが、年齢層は75歳以上が2名、60歳以上が4名、そして大滝先生59歳の7名であり、大滝先生が一番の若手であるというお話をお聞きしました。後継者がなかなか出てこないというのは小児科医の仕事は相当ハードであるという表れであります。確かに、我が家のかかりつけの小児科はおおたきこどもクリニックですが、患者の数がものすごく多く夜遅くまで診察しておられます。また、講習会後に大滝先生から聞いたのですが、月に2回程度日本海病院の救急(19:00~22:00)にヘルプに入られている、また、休日診療所にも月に1回程度ヘルプに入られているというお話もお聞きしました。大滝先生はじめ北庄内地区の小児科医の先生方が、休日診療や救急診療でも なくべく子どもの急病は小児科医が診るべきであるという考えのもとに、身を削りご対応を頂いているというのが現状であります。この取り組みは10年くらい前からはじめたということで、大変ありがたいことであります。
親の気持ちとしては子どもが少しでも具合が悪いようであれば、酒田市は小児医療費も無料であることもあり、すぐに医者に連れて行かれる方も多いと思います。どちらかというと私もその一人です。それとは逆に、すぐにでも救急に連れていくべき症状を見逃すということもあることから、症状により適切な対応が親には求められます。
そのようなことで、どのような時は家で様子をみて、このような時はかかりつけ医に行き、こんな時は救急車を呼ぶといったことが、発熱・嘔吐・下痢・腹痛・咳・発疹・けいれん・誤飲・熱中症・頭を打った時などについて、分かりやすくフローチャートでまとめてあるのが、山形県・一般社団法人山形県医師会で作成したパンフレット「山形県子どもの病気・けがガイドブック」です。
このパンフレットは、できれば各家庭1冊お持ちになられた方が良いのではないかと思うくらい、素晴らしい内容であります。このパンフレットは講習会を受講された方のみが頂けるものなのか分かりませんが、興味のある方は在園生であれば私までお問い合わせ頂ければ、頂けるか確認等を行いたいと思います。
また、毎日19時から22時までは、電話番号「♯8000」で子どもの急病に関する電話相談を行う事ができます。子どもの急病に専門的な知識と経験を有する看護師から対処方法についてアドバイスを頂く事ができます。こちらも是非ご活用してみてはいかがでしょうか?
次に、大滝先生から頂いたお話の中で印象に残ったことをいくつか紹介させていただきます。
①子どもの「なんとなくおかしい」に親が気づく事。 →これは発熱を例に挙げますと、39°の高熱が出ても元気があり食欲もあるようであれば家で様子を見ていても良く、逆に、37°でも元気がなく食欲もなく、いつもとは「なんとなくおかしい」場合はかかりつけ医に行くというように、このいつもとは「なんとなくおかしい」時に重病である可能性が高いことから親が気づいてやれるかが重要であるとのことです。
②かかりつけ医をもつこと。 →かかりつけ医は何回か通う事で、その子の性格やその兄弟のことなど情報を得ることができ、いつもと違う、なんとなくおかしいに気付けるそうです。これも重病の早期発見につながると思われます。
③周囲の情報をかかりつけ医に伝えること。 →子どもの病気はほとんどが感染症です。インフルエンザ・アデノウィルス・胃腸炎など。周囲(家族やクラスメイトなど)で似たような症状があれば、かかりつけ医に伝えることで、一発で的確な検査ができます。逆にそのような情報が無いと子どもが嫌がる検査をいくつもしないといけません。また、症状の発見にも影響します。そのようなことから、周囲の状況を的確にかかりつけ医に伝えることが重要なのです。例えば、親が医者に行けなく祖父母にお願いする場合でもメモを渡すなどしてもらえると助かるそうです。
その他にもたくさんありましたが、この場ではこの程度で!
最後に、冒頭に書きましたが、北庄内地区の小児科医の現状を見てみてみると、高年齢化であることは事実です。我々親が子供の急病時における知識や対応方法を得とくすること、また、医者だから何でも分かると何から何まで小児科医にお任せするのではく、子どもの症状を観察し、その状況を的確に伝えることで 小児科医の負担を少しでも軽減させることができれば、北庄内地区の小児医療の存続にも繋がるもの思われます。
この他にも、大滝先生からは大変参考となるお話をたくさん頂きました。来年度も開催されるようでありましたら、今回参加されていない方は特に、一度参加されてみてはいかがでしょうか?