「私は自分の仕事が大好き大賞」
2015.10.23今日のブログは園長です。10月13日、横浜で開催された「第3回私は自分の仕事が大好き大賞」に参加しました。このイベントは、あらゆる職業のプレゼンテーターが「自分の仕事のすばらしさ」をステージでプレゼンテーションするもので、「その仕事をなぜ好きになったのか?」「その仕事をどんな価値だと感じているのか?」を15分間プレゼンテーションし、会場審査員のみなさんの投票により日本一を決定する大会です。
なぜこの大会が開催されるようになったか?それは、主催者の鴨頭さんが全国各地の小、中、高等学校で講演した際、子ども達に「今働いている大人たちを見ていて、早く大人になって働きたい。そう感じている人は手を上げてください。」という質問をしたことがきっかけです。これまで延べ約7000人の子ども達に同じ質問をしたが、手を挙げた生徒はゼロ。7000分の0だったという事実です。これは子ども達が悪いのではない、すべて大人の責任だと鴨頭さんは言います。
働いている大人たちの中に、生き生きと輝いて働いている人たちは存在する。でも、生き生き働いている大人の姿を子どもたちは見る機会がない。そして大人の私たちも、輝いて働いている大人の姿を見る機会がない。だからいつしか仕事は我慢しながらするもの、疲れるのは当たり前。そんなマイナス情報で溢れている。だから生き生きと働いている人のメッセージや姿から、私たちが自ら生き生きと働こうとする、そんなムーブメントを起こそうと、鴨頭さん達は思ったのです。
「私は自分の仕事が大好き大賞」では、普段は注目されることがない業界で働く“平社員”やアルバイトから、自分の仕事が好きになったエピソードをそのままストレートに語ってもらうのです。
ということで、今回は4人の発表でした。1人目は、パチンコ業界で働く女性。昔から母親と折り合いが悪く、「あんたなんて生まなければよかった」とまで言われ家出し、あちこちふらふらし最後に行き着いたパチンコ屋。そこで従業員が家族のように接してくれたことで自分の居場所を見つけ、現在は正社員として頑張り、母親とも信頼関係を取り戻す。
2人目は、とび職人として働く男性。妻子のために一生懸命働いた結果自営できるようになり、仕事をとるために家族を顧みずがむしゃらに働き続けた。でも、家族との距離はどんどん離れていったことに狼狽する。そして、自分は家族の喜ぶ顔を見るために働くことが生きがいなのだとやっと気付く。
3人目は15歳の高校生男子。中学2年の時に親の協力を得て起業し、イベントで小さなスープ屋さんを出店した。そこで仕事の面白さ、お客さんの温かさを実感し、高校生ながら、将来は全国各地で自分のスープ屋を展開する夢を、ユーモアたっぷりに語る。
4人目はニューハーフの居酒屋勤務の女性。ニューハーフということで、面接した約300の会社で採用を断られる。自殺まで考えたが、現在の職場の居酒屋で、持ち前の話術を生かした接客で抜群の存在感を発揮する。沢山のお客さんから信頼され、相談を受けている。大賞を獲得したのはこの方でした。
私は終始涙腺がゆるみっぱなしでした。彼らの過去の苦労、現在に至るまでの道のり。共通するのは、彼らのためにそっと陰で支えてくれる人が存在するのでした。その存在に気づいた時、彼らは前に向かって進み始めるのです。そして彼らは最後に必ずこう言うのです。「私は自分の仕事が大好きです!」
私は、自分もこの言葉をずっと言っていきたいし、先生達にもこのように思い続けてほしいと思いました。子ども達は大人の背中を見ているのです。